別刷追補版                       足利工業大学附属高等学校研究紀要10号 2004 2016
炭焼きの昼食に美味(おい)しい料理を作って食べよう

美味しいうどんを作ろう
       (第1回 プロのうどん屋さんに挑戦してみよう)

                               東京大学農学部研究生(松本雄二研究室)
                                 電気科 岩ア 眞理

 このシリーズを作るにあたり児童生徒が料理を作れることを主眼として,それぞれの料理を3年以上試行
錯誤しながら調理実験を行い炭焼き教室の,お昼の食事として楽しく誰でも間違いなく美味(おい)しい料
理が作れるようにマニュアルを作成したものである.内容についてはできるだけ児童生徒が導入しやす
いように平易でかつ解りやすいように,その始まりや,その歴史や科学的文献を最初に書き,それから
料理の作成方法などをまとめたものである.(読者層の幅が広い為に論文の文体が変則であることをお
許し願いたい.)

1. うどん(饂飩)の歴史

 小麦の祖先は西アジア地域に生息(せいそく)していた雑草の1つであった.この雑草の中の種子を小麦
として当時の人達が見い出したのである.小麦を形どっている穂は数本の小穂の集まりから成りたってい
る.1つの小穂に実が1つのものを1粒系小麦と言い,2つ付いているものを2粒系小麦と呼んでいる.また
野生系統と栽培系統があり,それぞれ野生1粒系や栽培1粒系と呼ばれる.現在のパン小麦は3-5粒の
栽培種である.また紀元前6750年ごろにイラクのジャモル遺跡からは野生系の1粒系と栽培系の1,2粒系
の小麦が出土していた.この栽培系2粒系小麦は栽培エンメルと呼ばれ,イラク,トルコの遺跡発掘のお
りに紀元前7000年〜6000年頃の遺跡の中から出土していた.このエンメルはメソポタミアの山岳地帯で生
まれたと考えられている.そして小麦の伝播ルートはメソポタミア文明により,各地にもたらされ,その小麦
が東のインダス文明に伝えられた.また南ロシアに伝わった小麦は中央アジアをへて紀元前3000年ごろに
中国に伝えられた.その昔,うどんは中国の浙江省あたりで食べられていた地方食であった.この地方は
小麦や米の一大産地であった.その小麦粉に食塩と水を加えて足で踏みつけ,こ(捏)ねてから丸い一本の
紐条にして2本の木の棒を30p位に平行に広げてから紐のうどんを八の字の様に交互に掛けて,その2本
の棒を手で広げることにより細く伸ばし,乾燥場所に持って行き一方の棒を台に掛け、片方を下にゆっくり
引きながら1.5m以上に細く伸ばして乾燥させた物がこの地方の干しうどんの基です.そのうどんの作り方を
遣唐使や随行した人達が覚えた.そして日本への帰りの最初の寄港地である長崎県の五島列島に上陸し
て覚えてきたうどんの作り方を人々に伝え広まった.現在でも五島列島は今の中国の浙江省の作り方と,
ほぼ同じである.その後,日本各地の小麦が生産される場所に製法が伝わり,地方の環境により独特のう
どんが作られてきた.現在解っているルーツは五島列島のうどんが九州全土に伝わり,海を越えて四国や,
そして陸路を通じて全国各地に広まり,その地の有名なうどんの特徴を持った種類になった.北から挙げて
いくと北海道では秋あじうどん,秋田の稲庭うどん・梅漬けうどん,岩手や宮城のうーめん,茨城のけんちん
うどん,栃木の耳うどん,群馬のごまだれうどん,東京の鍋焼きうどん,長野の鬼かけ,山梨のほうとう,愛
知の味噌煮込みきしめん,石川のしっぽくうどん,滋賀ののっぺいうどん,京都の湯漬けうどん,大阪のき
つねうどん・かちんうどん・すきうどん・小田巻きうどん,徳島のたらいうどん,香川の讃岐うどん,愛媛の鯛
めん,広島のかきうどん,山口のあぶりさば,福岡の水炊きうどん,大分のやせうま,大分・宮崎の団子汁
がある.うどんのメニューの変化として,もり,ざる,釜揚げ,かけ,冷がけ,きしめん,ひやむぎ,そうめん,
天ぷらうどん,天もり,天ざる,きつね,たぬき,玉子とじ かき玉,鴨南蛮,鴨汁うどん,鶏南蛮,鶏うどん,
しっぽく,五目,チャンポン,山かけ あんかけ,のっぺい,カレーうどん,肉うどんなどがあります.


〔1〕小麦粉の基礎知識と塩の働き【小麦粉について】
 小麦粉は、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉の4種類に分けられます。
たんぱく質の含有量が、強力粉は12〜14パーセント、準強力粉は10〜11
パーセント、中力粉は8〜10パーセント、薄力粉は6〜8パーセントとなっています。
また、別の目安は、カリウムやカルシュウムなどの灰分の含有量によるもので、灰分の少ないものから、1等粉、2等粉、3等粉、末粉(すえこ)に分けられています。
上記の組み合わせで、中力1等粉とか薄力2等粉などと呼ばれています。
灰分は小麦粉の皮の部分に集中し、胚乳部に行くほど少なくなります。
したがって灰分の多い粉は皮の部分を多く挽きこんだことにより、でんぷん質を多く含む胚乳部が多い製品より、質が悪くなります。
灰分量が少ないほど、冴えた白になり、多くなるにつれて、くすんだ感じの色になります。白色からクリームの様な色になります。
現在市販されている小麦粉はすべて無漂白ですが、漂白しても、明るさには影響しません。
【塩の働き】
うどんを真水でなく塩水でこねるのには、次の性質によります。
1.グルテンの作用により、生地が締まり、腰の強い粘弾性の良いものになる。
2.生地の乾燥を防ぐ。
3.うどんの風味や食感を良くさせる。
4.気温の生地への影響を少なくさせる。
5.生地の防腐効果。

【饂飩(うどん)に適する小麦粉】
うどん作りは小麦粉の選定から行いますが、灰分とたんぱく質の量だけでは決められません。
澱粉や蛋白質の性質は原料の小麦の品質や産地、作柄等によって、違ってきます。
蛋白質の量は8〜10パーセントの範囲内が適しているといえます。
言い換えれば、グルテンの性質により、いろいろな麺が出来てきます。
小麦粉のメーカーと代表的な饂飩に適した中力小麦粉


日清製粉 すずらん、金すずらん、白椿(注文生産)
日本製粉 麺韋駄天、こがね菊、一番挽き   星野物産 A百合、あかぎ
日東製粉 花車、麺指南 松屋製粉 麺得意、特青松  昭和産業 麺囃子
ただし、業務用は販売量は25キロが1袋単位です、個人では、やや多すぎますので何人かで共同購入すると良いと思います。
それと、日清の美味しい、うどんの1キロ袋で売っています。(すずらん位の調整品程度)
現在は栃木県と群馬県では新しい品種の改良を行いイワイテノダイチが笠原製粉から販売されている。もちもち感の舌触りの感覚がある。
群馬県は絹の波と、かつては農林61号であったが現在は「さとのそら」の品種が奨励栽培されている。

【塩水の濃度】
うどん作りは気温、湿度、小麦粉の質、水分含有度、加水量や熟成期間といった変動要素が多く、また塩の働きが影響しますので、塩水の濃度を季節や気温や、こねてから延ばすまでの時間を考える必要があります。
塩の量が多いとグルテンが弱くなってしまう恐れがあり、伸張性や弾力性がなくなってしまいます。 一般的に手打ちで4〜6パーセント、機械打ちで2〜4パーセントとされています。これも、小麦粉の質により、若干違いが出ます。
今回の、うどん打ちは、足踏み方式で、行いますので、やや機械打ちに近い 3.5パーセントの塩分量で行います。
さとのそらなどの品種は6-8パーセント程度の塩分が必要である。

参考文献は柴田書店の業務用の本の「儲かるメニューうどん」からです。
このシリーズは、この他に蕎麦、どんぶり、カレー、焼肉、サンドウィッチなどがあり、業務用ですので、1冊3000円前後もします。
大きな本屋さんに行けば大体そろって置いてあると思いますので、これからもっと本格的にやってみたい方は「うどん蕎麦」を購入して勉強してください。 饂飩は、その他に、本格的な3冊シリーズの教本もありますが、値段が、ちょっと高い。 ただし、儲かるメニューのうどんに載っている、うどん屋さんで、現在もその味が出ているとは限りませんし、店員の態度の悪い店もありました。 秋田の稲庭うどん、四国の讃岐うどん、群馬県の水沢うどん、名古屋のきしめん、関西系の夏は素麺、関東は冷や麦、夏は胡麻ダレ冷やし汁、冬は煮込みうどんや、おっ切り込み、焼きうどん、カレーうどん、鴨南蛮など色々有り、みんなねそれぞれ味や舌触りの違いが有ります。

〔2〕うどん作りの材料編
 うどん作りには、うどん用中力小麦粉、塩(海水塩)、水、こね鉢、伸ばし棒、伸ばし台、麺きり包丁、湯沸し用鍋、コンロ等の熱源、麺取り桶、麺箸、ビニール製の袋(厚手)、シートや大き目の紙、大き目のタオル、クーラーボックス、冷水用の氷及び保冷材、20リットル位の水の入れ物、タンクなどが必要です。 (アンダーラインのところは製麺機があれば省けます。)

  (1)中力小麦粉は各メーカーの物がありますので、いろいろ試して、自分に合った美味しいものを選んでください。
今回は高級饂飩店で多く使われています、日清製粉の高級品を用意しました。
  (2)塩は、ミネラルを多く含む、天然塩(海水塩)を使用した方が、美味しくなります。分量は必ず、秤(はかり)で量ること。目分量で入れますと常に同じ物が出来ません、必ず、失敗し、まずい物を食べることになります。
  (3)水は、水道水や井戸水を、沸騰させ、カルキを抜いたり、井戸水の中の雑菌を殺してから、必要な量の塩を容器に入れ、次に必要な分量のお湯を加えてから、かき混ぜて、冷ましてから使用します。(40度以下に)
(4)こね鉢は、プラスチック製やステンレスのボール等を使ってください。もし無ければ、鍋などでも出来ます。もし何にも無くても、板の上でそのまま、作ることも可能です、ラーメンの製造法も同じ。
(5)麺棒は、30センチから、1メーター程度のもので、直径3〜8センチメーター位の物がいいのですけれど、無ければ、厚手のビール瓶やワインのビンでも出来ます、発想を変えれば、丸く長く硬くて安全性の高い丸い物ならば、どのようなものでも良いということです。
(6)延ばし台は、テーブルの上に大き目の紙や、ビニールを置いても代用できますし、合板などでも良い。ただし合板には表裏がありますので、表面を使ってください。また250番以上の紙または布やすりで、表面をきれいにしておくことです。横の部分は木工用ボンドを一回り塗っておくと、とげが刺さりにくくなります。
(7)包丁は、麺切用の包丁が一番良いのですが、菜切包丁や一般のステンレスの家庭用料理包丁でも、大丈夫です。
(8)厚手のビニール袋は、練った麺生地を袋の中に入れて、足踏みをするためのもので、出来るだけビニール袋の厚みは 0.04ミリより、厚い物を、必ず使ってください。そして1キロから4キロぐらいまでは、90×80センチのビニール袋が、一番使いやすいと思います。
(9)大きめのタオルは、うどんを足踏みするときに、上に、かぶせて使うためのもので、出来れば、バスタオル程度の大きさがあれば、なお良いと思います。 (安全を考えての注意事項です)
夏場は、そのまま、麺を寝かすと、麺が、暖かくなって、雑菌の繁殖の原因になってしまいますので、外で作るときは、携帯用冷蔵庫やクーラーボックスなどの保冷箱を用意して、その中に、こねた麺を入れ、それと一緒に氷や冷えた保冷材を入れて、温度の上昇を防ぎます。
(日中25度を超える日は、麺の塩分濃度が3パーセントと低いためにクーラーボックスや発泡スチロールの箱は、絶対に必要です。)
また、山野で行うときは、タンクに水をいっぱい入れておくことも忘れずに、実行してください、20リットルのものを1つか2つ用意して、持って行ってください。
その他、ゆでた麺を取り出すための、網籠や取り網、麺を水につけて冷やす、桶や麺用箸、麺を急冷するための、冷たい水や出来れば、氷も必要です。
それと、熱源ですが、これは薪でもガスコンロ、ガソリンコンロ、灯油コンロ、炭等の熱源で、出来るだけ火力の強い熱源があれば、なお良いと思います 。
〔3〕うどん作り教室のはじまりです
1キログラムと250グラムのうどん用中力小麦粉を用意します。 >1キログラムの小麦粉はうどん用で、残りは、くっつき防止用です。
 まず、やかんや鍋に、水を500cc入れ、そして竹炭(白炭)を入れて沸騰させカルキを取り除いて美味しい、お湯を作ります。
面倒なときには、ミネラルウォーター水を用意して使います。
そして、塩(天然海水塩)を30〜35グラム量り、ボールに入れます。
次に、お湯を、460t量り、ボールに入れ、塩をよく溶かしながら、かき混ぜます。(気温が低い時期は水を多めにしてください)
そして、お湯の温度が40度以下になるまで、自然に冷ますか、団扇(うちわ)などで、扇ぎ強制冷却します。
(もし水が計量出来ないときは、500MLのペットボトルを計量器代わりにしますと簡単に量れます。まずペットボトルに30グラムの塩を入れ、それに湯冷ましの水を、最初入っていた量よりやや少なめに入れます、次に蓋をしてよく振って塩水を作りますと簡単に塩水を作ることが出来ます。
次に、1キログラムの小麦粉を、ゆっくりと、粉が飛び散らないように、そのボールの中に入れます。
そして、手でこねていきます。最初は手に粉が付いて大変ですが、そのうちに麺がよく練れてきますと手に付かくなってきます。
手に、付かないようになりましたら指や手の甲に付いている粉を取って、こねた粉に混ぜ込みます。
だいたい、うどんが玉のように、まとまってきましたら、用意してあるビニール袋に入れます。 次に、家の中でしたら、板張りの床や廊下などの平らな場所を見つけ、その場所で足踏みを行います。
庭や野外で行う時の場合で、簡単な方法は合板を使うことです。
用意する合板の大きさは、約90センチ×60センチで厚みが12ミリ程のものを用意します、これが一番手軽な方法です。そして表面が汚れないようにビニール袋に入れて運んでください。
最初は、ビニール袋を取らないで、そのまま使ってください。それは、雑菌を板に載せないためです。 次に、この板を使う平らな場所を見つけておいてください。出来れば、板の下にゴザやシートを敷いてもらえば、なお良い結果になります。
 そして、板の上に乗っても大丈夫かを確認しておいてください。
次に、この板の上に大き目の紙やシートやタオルを置きます、これは板と、うどんの入ったビニール袋の間のすべりを良くするためです。 それでは、ビニールに入った、うどん玉を、真中辺に置き、その上に、2枚目のタオルを被せます。これで、足踏みの準備が出来ました。
 足踏みは、最初は真中から少しずつ外側へ2センチくらいずつ、ずらしながら足のかかとから土踏まずあたりで踏んでいきます。一番外側まで、伸ばしたならば、最初の場所より少し、ずらして全周くまなく踏んでいきます。次に全体が伸びたら、裏返しをして、同じように、踏みつけていきます。
 次は、汚れた手を入れないで、外から袋をつかみビニール袋からうどんを離します。 そうしたら、袋の上から、うどん全体の中心に対して,右から三分の一位が折れ目になりますので、右端を持って左に折り返してください。
次に左も右と同じ様に左端を持って、中に折り返します、上下も同じように折り返しをしてください。
 今度は、端の部分から、かかとで、少しずつ踏んで行きます。
そして、大体四角になるように、踏み込んでください、表が終わったならば、裏返しをして、同じように踏んでください。特に嫌なことを考えて、それを思い切り踏みつけ日ごろの鬱憤(うっぷん)を晴らしてください。
そして、厚みが、1センチくらいになりましたら、また、まとめて同じことを15分〜20分間位、出来れば30分位何回も繰り返し足踏みをします。 踏んだ回数の多さでより美味しいうどんが出来ます。
これで、一回目の足踏みは終わりました。次は 1時間から24時間ほど、寝かせます。私は1〜3日間冷蔵庫の野菜室で、10度以下で寝かせてから使っています。安全な範囲は夏季で3日、冬季で1週間以内です。
寝かせるときの状態です、伸ばした状態のときに、ビニール袋の下側の部分から、丸く、棒状に巻いていきます。大きくても良い人は、そのままでも >特に、夏は暑いので、出来るのなら、冷蔵庫の野菜室などに4時間以上寝かせると大変、美味しくて、腰のあるしっかりとした、うどんに変身します。
もし冷蔵庫に入らないときはクーラーボックスまたは発泡スチロール等の保冷箱に、冷却材と一緒に入れ1〜2時間寝かせてください。 …ともかく、うどんを睡眠させてください 1〜4時間程度、それ以上…
仕上げの工程
冷蔵庫、クーラーボックスや保冷箱からうどんを取り出し、前と同じように、うどん玉を2回ほど足踏みをしてください。そして厚みを1センチ程度に薄くのばしたならば、うどん用の伸ばし棒を用意します。
そして,棒で大体5ミリくらいの厚さになるように袋の上から平らに伸ばしていきます。本当は出して伸ばすのが良いのですが全部出してしまうと、練習が2回できなくなるため。
(実際は、雑菌の繁殖を防ぐことを主眼に、置きました。) もし美味しければ、今度は友達を呼んで、皆さんが、先生となって、友達に、この内容を頭の中に入れて、自慢しながら、うどんの打ち方と楽しさを教えてください。
では、大体5ミリ程度の厚さになりましたら、量ってある250グラムの粉の袋から、板の上に、平均的に(適当に)50グラム程を撒いてください。そしてビニール袋のうどんの入り口側の半分のうどんを出して、板の上に置いてください。残りのうどんは、保冷箱の中に、しまって下さい。
次に、うどんの上にも同じく適当に、まんべんなく、粉をふって、棒に付かないようにしてください。次に、棒を持って3ミリ程度の厚さまで、伸ばしていきます。
適当に、伸ばしていっても良いですが、本当の伸ばし方を、周りにいる、昔は若かった名人の饂飩作りを見て、コツを覚えるのも良いと思います。
私の考えとしては、最後の伸ばしは、機械伸ばしの方が、うどんに圧力が、かかりますので、グルテンがほどよく出て、こしのある饂飩になります。
その為、機械のほうが意外と美味しいというのが実際での結論です。
蕎麦は水廻しの作業がありますので機械打ちでは、無理のようです、ただし、業務用では、真空ポンプを使った、水廻しの出来る、機械もあります。
折りたたみと麺きりの工程
切りをするために、折りたたみの工程に入ります。その前に、広がっているうどんの上に、50グラムほど小麦粉を均一に、ふりかけます。
そして、伸ばした、うどんを棒に手前から撒きつけます。麺きり台があれば用意してください。無ければ、麺を伸ばす板のままでよいのですが、包丁により傷が出来てしまいますので出来るだけ、麺切り台を用意してください。厚めのダンボールでも台の代わりになります。
そして、巻き終わったら、上端を手前から15センチくらいの先に置き、自分方向へ敷いていき、15センチ位の幅で、向こう側へ折り返します、そして次は1センチくらい短くしたところで、折り返して、手前も1センチほど少なく折返し、そして積み重ねをしていきます。
そうして、全部のうどんが折りたためましたら、その畳んだうどんに、もう一度、小麦粉を少し振り掛けておきます。(片栗粉を使うのも良い)
このときに、世の中には、厚く大量に小麦粉を振りかける人もいます。何かもったいないと思う時もあります。
次は、切り方です、うどんは、蕎麦切り包丁と比べやや薄い両刃の包丁を使います。
蕎麦切りの包丁は一般的には片刃の包丁を使います。私は、細い蕎麦が好きなので、うどん用の薄い刃の包丁を使っています。(実は業務用の蕎麦切り用包丁が高く買えないため、(大体7万円から高級品で13万円ほどです)。
切る方向です、右利きの方は、右から、左利きの方は左から、3ミリ程度の幅で、手前から前の方へ滑らせるように切っていきます。でも次の移動の時に平行に包丁を移動しないと、格好の悪い、饂飩になってしまいますし、茹でたときの、硬い所や、やわらかい所があちこちに在って、一定の歯触りの無い、変な食感のある、うどんが完成してしまいます。
でも最初から、うまく出来る人は、いません。
みんな、一生懸命に何回も回数を重ねることによって、その努力の甲斐により、うまく切れ美味しい食感のある饂飩になります。
皆さんも、100回以上は饂飩作りをしてください、この位作れば、多分、みなさんの近所のうどん屋さんよりも、多分、上手くなれると思います。
なお、私は包丁で切るのが下手なので、通常機械で切っています。包丁より、機械の方がより表面がきれいに仕上がり角も出来、舌触りも滑らかです。
次は、横の分が10センチくらい切れたら、端を持って、全体の粉が落ちるように、上に持ち上げ二、三回振ってから、別なところへ並べてください。
そして、全部が切れたら、乾燥を防ぐために、上に、ビニールでもかけておいてください。乾燥としたものと生が混じってしまうので、風邪を引かさないように。全体を木の棒にかけて、全体を乾燥させると、長く持ちます。

〕茹で方の基本

 一人前としては、茹でる前で180グラムから200グラム程度ですので、出来上がりは1 5キログラムくらいですから、大体8人程度と思ってください。
これだけでは、カロリーや全体のバランスが悪いので、少し考えて、天ぷらや薬味等を用意していけば、程好いバランスになります。
では、茹で方の準備に入ります。
〔茹で方〕
大き目の鍋を用意して、それに7分目ほど水を入れます、その量は、1人前で1リットル位の分量ですので、4人では 4リットル程になります。
もし、大きな鍋が無ければ、普通の鍋を用意して、茹でる分量を2回や3回に分ければ大丈夫です。ただし、分けてゆでますので、その時間の差で、うどんが伸びてしまいますので、その伸びる量を最小限にするために、氷水を用意して、その中に入れておけば、伸びは少なくなります。
では、鍋に分量の水を入れ、火にかけてください。沸騰したならば、麺をほぐしながら、湯の中に、お湯が跳ねないように、少しずつ入れていってください、そして入れ終わりましたら、長い箸や棒で、麺をほぐしてください。
次に、お湯が沸騰する直前まで、強火にいたします。
湯こぼれをしないように注意してください。
 くれぐれも、途中で、湯こぼれで慌てて、水を入れて温度を下げないでください。(注し水は使わないこと)
沸騰したら、弱火に火を落としてください。そして、時々、麺の様子を見てください、麺を 1-2本つまみ出し、全体が透明になるまで、茹でてください。大体12分程度だと思います。全体が透明になったら、でき上がりです。
まず、ボールに半分ほど水を入れておきます、笊(ザル)を用意して、茹であがったうどんをすくって、ボールに入れます。
一度、よくかき混ぜ、水を切り、もう一度水を入れて、表面のヌルメを取ります。水が多めにあれば回数を増やしてください。次に、この状態では、麺が引き締まっていませんので、次は用意した氷水をボールに入れて、麺を冷やして出来上がりとなります。氷を入れることにより、うどんの中に含まれている、一部の水が氷水のほうに出てくるからです。多分、温度差による浸透圧だと思います?
出来上がったうどんは、よく水を切り、お皿等に丁寧に盛ってください。これで、うどんの完成です。汁は、作っている暇が無い時には、業務用のうどんの汁と蕎麦の汁を半々に混ぜたものを、1対3の割合で水を加えたものが一番美味しくいただけます。
では、皆さんで、美味しい饂飩を、召し上がってください。
そして、次は、皆さん自身で、美味しい、うどん粉を見つけ、塩加減や温度による水加減、寝かせ時間、延ばし方や茹で方等を研究して、今日の饂飩より、美味しい饂飩作りを研究してください。

.〕美味しい汁(つゆ)の作り方 昆布は真昆布を一枚用意します。鰹節や鯖節、煮干も用意します。
本みりん、本醸造しょうゆ、砂糖を用意します。干し椎茸もあればなお良い、使う前に水でもどしておいてください。
   そして、化学調味料は絶対に使わないこと(うまみ調味料として、ごまかして使われています)。出来るだけ、子供には、本当の味を教えてやってください。
しょうゆ1.8リットルに砂糖300グラムと本みりん150ccと酒90 cc を鍋に入れ80度くらいで20分ほど火を入れます、甘口にしたければ砂糖を追加します。このときに上にあくが出ますので、丁寧に、あくを、取ってください。そして、このしょうゆを瓶に入れ2週間以上寝かせますと、美味しい割り下が出来ます。1年以上でも持ちます。蕎麦の場合には砂糖(グラニュー糖)360グラムと味醂360cc の割合になります。前日に干し椎茸2,3個を200 ccの水で戻しておく、この戻し汁を使うため。
作りました竹炭をやかんや鍋に入れて、沸騰させますと美味しい水になります。
そして、これを冷まし、1.8リットルの水に真昆布20グラムを入れ沸騰したところで昆布を取り出します。次に用意した、鯖節50グラム、鰹節50グラム、煮干50グラムを入れます、煮干は使う時に腹の部分と頭の部分は取ってから、フライパンで2 、3分乾煎りをしてから、鍋に入れます。
次に、火をつけて30分ほど、弱火で出汁を煮出していきます。
そして、椎茸の戻し汁を入れて3分ほど煮出した後に、布巾等で越してください。あまり日持ちしませんので、もし大量に作り置きしたい場合は、小さめな冷凍パックを用意し、小分けして冷凍保存してください。
これを冷やして、前に作った返しと合わせてください。分量は醤油の種類やメーカーによって大分塩加減が違っていますので、自分に合った比率を見つけてください。そして、軽く火を入れてから使うこと。

.〕味醂についての基礎知識

味醂の効果としては、甘味をつけ、コクと旨味をつける、生臭さを消す、照り艶を出す、煮崩れを防ぎ、旨味を逃がさない、味の浸透性を良くする。

【味醂の種類】本ミリンには下の2種類があります。

旧式ミリン 本ミリンにもち米、米麹、本格焼酎を加え90日ほど熟成後、ろ過圧搾したもの。

新式ミリン もち米、米麹、新式焼酎を加え40日で熟成させたもの。
     家醸本ミリン 福来純3年熟成本ミリン 相生本ミリン
      三州三河ミリン 本みりん元祖九重桜 タカラ本ミリン '>
      マンジョウ本ミリン ミツカン本ミリン
ミリン類似調味料 ミリン風調味料と発酵調味料と甘口醸造酒があります
ミリン風調味料 穀物に水あめなどの糖化液を加え化学調味料や発 >酵調味料を加えて作る 香気成分が少ない style='font-size:12.0pt;
     キッコーマンみりん風調味料こってりん甘味タイプ style='font-size:12.0pt;
         ミツカン本てり
調味料   若干の発酵プロセスを含み塩を加えたもの
           キッコーマンみりん風調味料こってりん発酵タイプ style='font-size:12.0pt;
    ミツカン本てりタイプ
その他   甘口の醸造酒熊本県の赤酒 鹿児島県の地酒
          東肥赤酒

※ 日本での最高の醤油は、和歌山県の御坊市にある堀川屋醤油やさんのが、私にとっては一番でした。たまに、テレビで紹介されることもあります。
この醤油は700cc位で1200円程度しますが、この醤油は再仕込み醤油という種類で、醤油の塩分を使って、醤油を作る製法です。
よく使っているのが水の成分が悪くなったということで、美味しい水を求めて神泉村に行きました、ヤマキ醸造さんです。品名は御用蔵と言い、こちらは、契約栽培の国産無農薬大豆を使っています。1 . 8リットルで1400円程度です。なお、銚子や関東地方の醤油のルーツは和歌山県です。昔、醤油職人の乗った船が難破して漂流しながら黒潮に流されて着いた先が銚子近辺だったらしいということです。

塩分について、このごろの話

このごろの塩分の量は、昔からの言い伝えにより、アメリカの科学者がねずみに大量の塩を採らせ、1ヶ月で高血圧ねずみを作ったことによりますが、この量は1日に大人が300グラムの塩を毎日1ヶ月採った量に相当します。
但し、塩化ナトリウムだけの取り過ぎは、決して体によくありませんが、こんな迷信より、日本での塩の成分が悪いのは専売公社がナトリウムだけの化学塩を売っていたからです。
 元の塩は岩塩です。岩塩をそのまま使っていれば、あまり体には悪くは無かったと思いますが。
 そのことにより日本人の塩分の過多は高血圧を招くと言われていますが、本来の塩については、海水塩から作った塩では逆に血圧を下げる働きをします。血圧の高い人は、ミネラル分の多い海水塩に切り替えてください。通常の塩分より多くとっても差し支えありません。
人間の祖先は海から生まれ、海の水・血液を持った生物になりました。
そして、川の中には海の成分がありませんので、その為に海の成分と同じ濃度の血中カルシュームを血液中に一定に保つために軟体動物から、川の中に入れる、カルシュームを持った魚が生まれ、そのカルシュームが骨格の材料となってきています。
 血液の成分は海水のミネラル成分そのものなのです。
市販の塩には、ミネラルの違いがありますので、購入するときには、海水塩を選んでください。加工塩も大量に売られていますので、良く見てから購入してください。
 動物も植物も全て炭にしますと、ミネラルの成分は全く同じです。

自分に合った塩の見分け方

どのように見分けるかと言うと、塩を売っているところに行き、その塩をなめて、一番美味しい塩が、自分にとって、必要なミネラルが一番含まれている塩です。


文章等の間違いの修正を行っていますのでできるだけPDFをダウンロードしてご使用ください。


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@450ccの水に塩を入れています。
D伸しが終わったところ
A練っているところです
E切る準備です
B練り終わり袋に入れたところです 
F全体の様子。
C袋から出して広げたところ
G切っているところ。
 うどんやそばを勉強したい方は下記の本を
図書館等で読んでください。
値段は一巻と二巻は4000円
三巻は5000円です。すべて税別の価格です。 
   
   



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